It Is No Use 〜ingの真意|無駄と訳す理由と書き換え完全攻略
高校の教科書や大学受験の参考書を開けば、必ずと言っていいほど太字で登場する動名詞の慣用表現の代表格「it is no use 〜ing」。試験対策として「〜しても無駄だ」という日本語訳を機械的に暗記させられた経験を持つ人は少なくありません。しかし、英語圏の日常会話や英米の報道メディア、現地のビジネスシーンに耳を澄ませてみると、このフレーズは単なる文法規則にとどまらない、発話者の諦念や焦燥、合理的な判断といった複雑な感情を宿して使われています。
なぜ動詞「使う」でおなじみの「use」が含まれているにもかかわらず、否定の「無駄」という意味が生じるのでしょうか。大手教育系メディアや現役翻訳者、語学教育のエキスパートたちの徹底取材をもとに、本構文が持つ本来の語源的背景から、入試で合否を分ける書き換えパターン、ネイティブスピーカーが肌感覚で使い分けている類似表現との差異まで、余すところなく解き明かします。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:「it is no use 〜ing」の「use」は動詞ではなく「効用・益(utility)」を意味する名詞であり、「それをすることには何の効用もない」という原義から「〜しても無駄だ」と訳されます。
- 要点2:大学受験やTOEICで頻出する書き換え表現(「There is no point in 〜ing」「It is useless to do」「It is of no use to do」など)は、感情の強さやフォーマル度に明確なグラデーションが存在します。
- 要点3:丸暗記を排し、行為の客観的無益さ(pointless)なのか心理的諦め(futility)なのかを見極めることで、入試の英作文から実践的な英会話まで迷いなく使いこなせます。
【構文の深層】it is no use 〜ingの真の意味とは?「〜しても無駄だ」と訳す理由と歴史的背景
英語学習者が真っ先に抱く疑問が、「なぜit is no use 〜ing 意味が『〜しても無駄だ』になるのか」という点です。中学英語で「use = 使う」と刷り込まれた頭では、「それは〜することを使わない」という奇妙な直訳に陥ってしまいます。しかし、この構文で使われている「use」は動詞ではなく、「効用」「有用性」「益」を意味する不可算名詞(発音は濁らない /juːs/)です。
歴史的な統語論の観点から紐解くと、この表現はもともと「It is of no use to do / doing」や「It is no use of 〜ing」のように、前置詞「of」を伴って「何の価値も持たない」と説明していた形から、前置詞が次第に脱落して慣用化したものとされています。つまり、構造としては形式主語「It」が後置された動名詞句「〜ing」を指し、述語部分で「no use(役に立つ見込みゼロ)」を言い渡しているのです。
オンライン英会話や言語習得プラットフォーム大手のTalkEnglish.comが公開している指導データによると、「By stating 'it's no use' you are saying that what you or someone else is doing is not recommended or uncalled for(その行動は推奨されず、やるだけ無駄であるというニュアンスを表明している)」と定義されています。単に「意味がない」という事実を述べるだけでなく、「いくら努力やエネルギーを注ぎ込んでも結果は変わらないのだから、その行動を止めるべきだ」という話者の強い忠告や無力感が内包されている点が、この構文の真髄です。
【徹底比較表】大学受験英語の頻出構文と書き換えルール|似た表現との決定的な違い
大学受験英語の頻出構文として出題される際、最大の得点源であり最大の落とし穴となるのがit is no use 〜ing 書き換え問題です。問題集では等号(=)で結ばれがちな各表現ですが、実際には「後ろに動名詞をとるか、不定詞をとるか」という文法規則の違いに加え、ニュアンスの硬軟が存在します。各表現の核心的な違いを以下の比較表にまとめました。
| 項目・主要構文 | 詳細・構文ルール | ニュアンス・フォーマル度 | 編集部の見解・使い分け基準 |
|---|---|---|---|
| It is no use 〜ing | 後ろは動名詞(〜ing)のみ。口語では It's no use と短縮。 | 感情的・口語〜標準的。「今さらやっても結果は変わらない」諦念。 | 受験文法の基本。日常会話でも使われるが、ややドラマチックな響きを伴う。 |
| There is no point in 〜ing | 前置詞 in の後は動名詞(in は省略されるケース多数)。 | 論理的・客観的。「目的や意義が見出せない」という合理的判断。 | 現代の実務・英会話で最も好まれる表現。感情的にならず筋道立てて無駄を説く際に最適。 |
| It is useless to do | 形容詞 useless の後ろはto不定詞を置くのが標準規範。 | 客観的・明快。「役に立たない・機能しない」という事実通知。 | 入試書き換えの超頻出先。「useless to do」と「no use 〜ing」の接続詞・準動詞の差を突く問題が多い。 |
| It is no good 〜ing | 後ろは動名詞。good も名詞「利益・効用」として機能。 | 口語的・日常会話向き。イギリス英語などで極めて多用される。 | 「no use」よりもさらにくだけた表現。「It's no good worrying about it」など親しい間柄の会話に適合。 |
| It is of no use to do | 「of + 抽象名詞 = 形容詞」の文法。後ろはto不定詞。 | 格調高い・文語的。学術論文や公式スピーチで見られる古風な表現。 | 現代口語ではほぼ使われないが、難関私大や国公立大二次試験の文法・整序英作文では頻出。 |
| There is no use (in) 〜ing | There構文の派生形。動名詞を伴い、inが介在することもある。 | 口語・イディオム的。「It is no use」と「There is no point」の混交。 | 試験では原則「It is no use 〜ing」が模範解答となるが、米語口語では自然に交わされる。 |
この表から分かる通り、it is no use 〜ing 違いの核心は「動名詞か不定詞か」という文法上の制約と、「主観的な諦め(no use)か、客観的な無意味さ(no point)か」という情報伝達のトーンにあります。特に大学入試では、「It is of no use」や「It is useless」に変形させた際、後ろを思わず「〜ing」のままにして失点する受験生が後を絶ちません。「of no use」や「useless」は形容詞扱いとなるため、原則として後ろには未来志向の「to 不定詞」が接続するという原則を頭に叩き込む必要があります。
【実態検証】利用者の生の声と現場目線で見えたリアル|「use=使う」の誤解と受験生の苦悩
SNSや大手質問掲示板(Yahoo!知恵袋、Quora等)を調査すると、英語学習者が直面する生々しい挫折と混乱の声が浮き彫りになります。現役の予備校講師やTOEIC900点超の翻訳家たちが指摘する「学習者のつまずきポイント」には、共通したパターンが存在します。
知恵袋に投稿された高校生の相談では、「単語帳で『It is no use 〜ing = 〜しても無駄だ』と覚えたのに、長文読解で『no use』が出てきた瞬間に頭が真っ白になり、『使うことがない』と誤訳して前後の文脈を見失った」という告白が目立ちます。語彙をパーツとして分解せず、フレーズ全体の丸暗記に依存している学習者ほど、少し構文が崩れたり修飾語が挟まったりした際に論理を追えなくなる実態が窺えます。
一方、海外の語学解説動画や実践的な英会話教材(How to Use "It's No Use + Verb-ing" in Spoken English等)のリアルな実例を見ると、ネイティブは極めて具体的な物理的状況に対してこのフレーズを放っています。
たとえば「スマートフォンのバッテリーが完全に切れて基板が故障した際、何度も電源ボタンを連打している友人」に対して、ネイティブは「It's no use trying to turn it on again and again.(何度電源を入れようとしても無駄だよ)」と声をかけます。また、完全に修理不可能な年代物の廃車について語る際にも、「It's no use trying to fix the old car, it's beyond repair.(直そうとしても無駄だ、もう完全に壊れている)」と表現します。そこにあるのは、小難しい文法理論ではなく、「物理的に結果が変わらないことに対する合理的な諦めと、相手を制止するニュアンス」です。

一般に知られていない盲点とネットの誤解|丸暗記の罠と動名詞の慣用表現の本質
なぜこの構文では「to do(不定詞)」ではなく「〜ing(動名詞)」が使われるのでしょうか。ネット上の学習サイトでは単に「そういう決まりだから暗記せよ」と片付けられるケースが散見されますが、これこそが英語学習者を挫折させる最大の盲点です。
認知言語学の観点から準動詞の性質を比較すると、「to 不定詞」は矢印(to)が示すように「これから向かう未来の動作や意図」を強く意識させます。対して「動名詞(〜ing)」は「頭の中に具体的に思い浮かぶ生き生きとした動作そのもの」や「すでに始まっている、または現実に起きている既成の事象」を描写する働きを持っています。
世界的なことわざとして名高い「It is no use crying over spilt milk.(覆水盆に返らず/こぼれたミルクを嘆いても無駄だ)」を想起してください。ミルクはすでに床にこぼれてしまっています(既成の事実)。その目の前にある取り返しのつかない状況に対して、わあわあ泣いている具体的な行為(crying)を思い浮かべ、「そんなことをいくら展開したところで何の効用もない」と言い放つからこそ、動名詞の持つリアリティが不可欠なのです。
「これから〜すること」を目指す不定詞ではなく、「実際にやってしまっている無益なアクション」に焦点を当てるからこそ、動名詞の慣用表現として定着したという文法的な必然性を理解すれば、無理な詰め込み暗記から完全に解放されます。
【プロの結論】認知言語学と心理的アプローチから見出すべき「it is no use 〜ing」の覚え方
効率的な学習を可能にする「感情と認知の心理的バウンダリー」
英語指導のプロフェッショナルが提唱する効果的なit is no use 〜ing 覚え方は、「心理的境界線(バウンダリー)」をイメージすることです。人間が何かに執着し、結果が変わらないことにエネルギーを浪費している状態を認知し、「ここから先は無駄である」と線を引く感覚です。
記憶の定着率を劇的に引き上げるアンカー(錨)として、以下の3要素を連動させてインプットすることが推奨されます。
- 原義の分解:It(それは)+ is(=)+ no use(ゼロの効用)+ 〜ing(実際にやってみている行為)。
- 代表格のことわざ:「It is no use crying over spilt milk.」をリズムで身体に染み込ませ、前置詞なしで直接「crying」が続く型を確立する。
- 感情のトリガー:「結果は変わらないのに、やきもきして空回りしている情景」を脳内に想起する。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
この表現をアウトプットするにあたっては、コミュニケーションの文脈に応じた使い分けが不可欠です。
- 積極的に使うべき状況(向いているケース):
- すでに物理的・客観的に手遅れであることが明白な状況(壊れた機械の修理、締め切りを過ぎた提出物など)。
- 感情的になって喚いている相手を「もう泣いても始まらないよ」と優しく、あるいは冷静に諫める場面。
- 資格試験(大学受験、TOEIC、英検)の文法問題・短文穴埋め問題で即答を狙う場合。
- 使用に慎重になるべき状況(おすすめできないケース):
- ビジネス交渉や上司・顧客への提案:相手の提案に対して「It's no use 〜ing」を使うと、「そんなことをしても無駄骨だ」と感情的・高圧的に全否定した響きを与えてしまいます。この場合は「There is no point in 〜ing」や「I am not sure if that would be effective」といった、より客観的で論理的な表現を選ぶのが大人のビジネスマナーです。

【実践編】日常会話からビジネスまで使えるit is no use 〜ingの頻出例文集
文脈理解をより深めるため、日常のリアルな現場でそのまま使えるit is no use 〜ing 例文を厳選して提示します。
例文1:感情的な愚痴や不満を諫める
「It's no use whining about it. What's done is done.」
(そのことについて愚痴を言っても無駄だよ。終わってしまったことは仕方がない。)
※TalkEnglishのレッスンでも強調される典型例です。過去の出来事に対して不毛な文句を言い続ける相手に対する、親しい間柄でのアドバイスです。
例文2:頑固な相手との対話を諦める
「It's no use talking to her right now; she is too angry to listen to reason.」
(今彼女に話しかけても無駄だ。怒り狂っていて理屈が通じる状態じゃない。)
※相手の心理的状態を考慮し、今アクションを起こしても結果が変わらないという徒労感(futility)を正確に表現しています。
例文3:物理的な故障や手遅れの事態
「It's no use trying to separate them; the two dogs are locked in a serious fight.」
(あの2頭を引き離そうとしても無駄だ。本気で噛み合って喧嘩してしまっている。)
※現場の切迫した状況下で、無謀な試みを制止する際に機能します。
例文4:受験・試験対策に直結するフォーマルな書き換え対比
・基本形:It is no use regretting the past.
・書き換えA:There is no point in regretting the past.
・書き換えB:It is useless to regret the past.
・書き換えC:It is of no use to regret the past.
(過去を後悔したところで何の意味もない。)
※この4つのバリエーションを瞬時に相互変換できるようにしておくことが、大学受験英語の記述・整序問題で満点を獲得するための鉄則です。
【it is no use ing】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:「It is no use 〜ing」と「There is no point in 〜ing」の決定的な違いは何ですか?
A1:最も大きな違いは「ニュアンスの客観性」と「現代の使われやすさ」です。「It is no use 〜ing」は「結果が変わらないことに対する諦めや無力感」という感情が色濃く出やすく、やや慣用句的なトーンを持ちます。一方の「There is no point in 〜ing」は「合理的な理由や目的(point)が見出せない」という論理的な判断を示します。現代のビジネス英語やカジュアルな日常会話では、相手を不用意に傷つけずスマートに理由を説明できる「There is no point in 〜ing」のほうが圧倒的に好まれる傾向があります。
Q2:日常会話で「It is no use to do」と不定詞を使うのは文法的に完全な間違いですか?
A2:現代の口語英語(カジュアルな会話)においては、ネイティブスピーカーの間でも「It's no use to do」と不定詞を使ってしまうケースが稀に見られます。しかし、標準的な英文法規準および日本の大学受験・各種英語資格試験においては、形式主語 It と名詞 use の組み合わせに対して「to 不定詞」を置くことは明確な文法エラー(不正解)と判定されます。形容詞の「useless to do」との混同を避けるためにも、試験や公式文書では必ず動名詞「〜ing」を一貫して使用してください。
Q3:入試の整序英作文(並び替え問題)で狙われやすい罠はどこですか?
A3:前置詞「of」の有無です。問題の選択肢群の中に「of」が存在する場合、正解の骨格は「It is of no use to do」になります。逆に「of」がなく、選択肢に「〜ing」が含まれている場合は「It is no use 〜ing」を組み立てなければなりません。また、前置詞「in」が選択肢にある場合は「There is no point (or use) in 〜ing」の形を疑う必要があります。「use」という単語の周辺に配置される前置詞の有無によって、後ろに続く準動詞(不定詞か動名詞か)が機械的に決定されるため、選択肢の語彙を冷静にチェックすることが失点を防ぐ最大の防壁となります。
まとめ:丸暗記から脱却し生きた英語力を手に入れる判断基準
一見すると古めかしい受験構文に見える「it is no use 〜ing」ですが、その背景には「名詞としてのuse(効用)」の歴史と、既成の事象をありありと思い浮かべる「動名詞(〜ing)」の論理的な結びつきが存在します。
言葉の成り立ちとニュアンスのグラデーションを正しく認識できれば、無機質な暗記シートと格闘する必要はなくなります。目の前の状況が「感情的な諦め」なのか「論理的な目的の不在」なのか、あるいは「試験における文法操作」なのかを見極め、状況に応じた最適なフレーズを選択する力を養うことこそが、生きた英語力を手に入れるための最も確実な道筋です。 (出典: it is no use ing(Yahoo!ニュース))